第2章　『何の為に・・』

だんだんと会社の内部が見えてきた私は思った。

『この会社何の為に新卒採用しているんだろう？』

内定を出した学生に対し、強制でバイトをさせる。
これはけっこうある話だけど、
この会社の場合、理由がすごい！
夏休み、年末年始の忙しい時、安い時給で使えるから。

『それでいいのか？』

もちろん私はその疑問を上司にぶつける。
答えは・・・

『仕方ないんだ・・・』

納得がいかない、消化不調をおこす。
でも納得がいかないことはこれだけではない。
選考の段階で学生にやらせる『筆記試験』
いわゆるSPIだ。
この会社、テストやらせるだけで結果は見ない。
そんなのあるか？
もちろんこのときも上司に聞いた。
『何の為にやらせてるんですか？』

答えは・・・
『他の会社もやっているから。
　やらないと格好がつかないから。』

そんなのでいいのか？
消化不良のまま月日は経っていき、
ある日その事件は起きた。
私の先輩が突然辞めたのだ！

その先輩は1月に店舗から人事部にきた。
それが同じ年の11月にまた店舗に戻るように
言われたらしい。
理由もなしに人事部に異動になって、
また今回も理由がないまま店舗へ異動。
さすがの先輩も呆れて会社を辞めた。

こんなことが毎年この時期にはあるのだと、
後日、他の先輩から聞いた。
毎年・・・、けっこうショックだった。

しかし、私が辞めるまでにはもっと凄い首切りもあった。
上司『君、明日から店舗へ異動してくれ』
A氏『私はもっと企画の仕事がしたいので
　　　その話は辞退します。』
（実際A氏は、企画として中途入社している）
上司『じゃぁ、もう明日から来なくていいよ』
そしてA氏は本当に次の日から来なかった。

とまぁ、話はちょっとずれたけど、
こんな首切りがしょっちゅうある会社だったんですよ。
まぁ、なにはともあれ先輩が辞めたおかげで
私の地獄の1年が始まるんです。

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